「んと?そもそも事の発端はバンだろ?どっかで暴れたのか?」
「どこっていうか。おもいっきり紫藤の店だよ」
「なんで、また…」
「知らない。自分から行ったのか呼び出しを受けたのか。聞こうにも病院送りになってるし」
掘り返す瑞生に、熊は何も返さない。
きっと気まずい顔をしているに違いない。
「電話があったんだ。『お前のとこの従業員が店で暴れてる』と。責任を問えば俺の名前が出たと。多夜からだった」
「それで呼び出し食らって、紫藤のお出ましか」
先を知りたそうなホストが事象を繋げると、瑞生は「ああ」と答えてから少し間をおいて続けた。
「俺は問答無用で金を出した」
「ほう。いくら?」
「ニヒャク」
その大金に「ひゃー」と口を開けるホストに、私も同じような顔をしたと思う。
200万をぽん、と出す瑞生も、呼び出されただけでそれを用意させてしまう紫藤怜も、どちらも変。
住んでる世界が違うのかな。
