余所者-よそもの-

通路を抜けた先に広がるホール。
壁際にずらずらと並ぶ二人掛けのソファやテーブルを通り過ぎると、バーカウンターがあった。

気づけば瑞生はカウンターの中央に腰かけていて、熊はその前でドリンクを用意している様。

ホストはその少し後方のソファに腰を落とすと、棒立ちになる私に視線を合わせた。

「座る?」


位置は瑞生と背中合わせの場所。
丸テーブルを挟んで、ホストの正面に静かに着席。


テーブルにドリンクが運ばれていく。

それぞれが乾杯もなく静かに口をつけ、私の目の前にはロックグラスに丸い氷の入ったお水が置かれたので、場に合わせるように口をつけた。

冷たい水に口の中が染みて肩をすくめると、テーブルに肘を突いたホストと目が合う。


「俺さ、ユキに呼ばれてAnBarに来ただけだから、まじで状況がわかってないんだけどさ」


私の目を見て話すけれど、話しかけているのは私の後ろにいる瑞生だ。