余所者-よそもの-

2人は瑞生が話し出すのを待っていた。

多少間をおいた瑞生は「うーん」と天井を仰ぐと、


「めんどくさいな」


どうやら、これまでの経緯を説明をするのは面倒らしい。


「おいおい、そりゃねーぜ?俺、お前が出てったあと大変だったんだって」

「サンコンが暴れたのね」

「いえーす。あと、” バン ” も病院にぶち込んだ」

「病院?そんなケガしてなかったろ」

「サンコンがトドメさした」


ホストに指を指された熊は何やらチクられたようで、大きな身体を小さくして口を尖らせた。


「だって…自分のケツは自分で拭けと」


瑞生は熊を追い詰めるみたいに距離を詰める。


「そう。だからケツ拭かせるために話を聞きたかったんだけど」

「あ!事情は聴いてます!」

「なんて?」

「紫藤が吹っ掛けてきた。紫藤が悪い。俺は悪くない。だそうです」


呆れたように肩を落した瑞生に、熊は目をまん丸にさせている。

「なんです?」


瑞生はもう話さない。

助け船を出すように、代わりになってホストが尋ねた。


「なんで揉めたんだ?」

「さぁ。どうしてでしょう?」


ホストだってもう瑞生と同じくらい呆れたようで、「はぁ」と深いため息を落とすと沈黙が流れる。