「んあ?誰か居んのか?」
さっきまで奥でもみ合っていた2人。
後から駆けつけた男は私を見るなり「うわっ」と声を上げて、だけどすぐに険しい顔をした。
「……誰?」
だよねだよね。
そうだよね。
そうなるよね!!
2人は尻もちをついたまま固まる私を上からじっと睨む、睨みつけてくる。
私は今度こそ間違わない。
ここでやるのは自己紹介じゃない。
だって今のところ連続2回不正解だった。
ここで出すべき名前は自分のじゃなくて、別の。
怪しい人間じゃないと証明するための、あの人の。
「み、瑞生さんに言われて!」
だけどこれも違ったらしい。
なんなら一番の不正解だったのかもしれない。
だって熊が襲い掛かってきた。
「ユキに何かあったのですかッ!!」
胸倉を掴むみたいに、肩にかけるブランケットを掴んで揺さぶられる。
「言いなさい!!――…言えぁ!ユキはどこじゃァ!お前はなんじゃア!!!」
熊は豹変したように言葉を荒げる。
ああ、今度こそ気を失えるかも――…。
