ドタドタともみ合い、喧嘩をしている声。 すぐ近くで聞こえる物騒な物音に私の身体は硬直していた。 だから。 「――待て!サンコン!!!」 奥から聞こえた声と。 ドン、と身体全身に走った衝撃はほぼ同時。 強張った身体は簡単に飛んだ。 もうとっくに満身創痍の身体に痛みが走る。 気を失うほどの。 いや、 「ドナタデスカ」 気を失っていたかった。 熊だ。 目の前に熊がいる。 優に2メートルはあるだろう身長と、プロレスラーのような体格。 人身事故だ。 車だ、こんなの。 なんなら車より凶器だ。