余所者-よそもの-

死角になっているこの場所で立ち止まったままだと立ち聞きしているみたいだ。

かといってこの状況で出ていける?


瑞生さんに紹介してここに来ました、っていいのかな。
あ、いや。

厳密に言うと瑞生はここを指さしながら降りろって言っただけだ。
紹介なんてされてない。

そもそも入れ、なんて言われてない。

ミスったかも。


よし、決めた!
一回引き返そう!

なんか怖いし!


踵を返した途端。


カランカラン、と金属が床に落ちたような甲高い音がフロアに響く。

ぐぉぉお、なんて怪獣みたいなうなり声も聞こえてきた。


「あ、待てこら!」

「放してくださいぃ…ッやはり、あの時何がなんでもついていくべきでしたっ」

「話し合いだっつったろーが、…ぐふッ。てめぇ!!」

「すみません、たまたまです……ウッ」

「顔殴ってみろ?キレるからな」

「いっそ殴れば、行かせてくれますか?」

「……ざ、けんなッ!コラ!」