余所者-よそもの-

時刻は早朝。
一般的なclubであればクローズされている時間帯。


消灯された暗い空間を一歩一歩進んでいけば、透明の扉に突き当たった。


えいや、と重たいドアを体で押し開けると、流れる水の音。

壁伝いに水が循環していて、青の間接照明が落ち着きの空間を思わせた。


そのブルーの薄明りを辿った先は突き当たりで、L字型に続く通路の先がフロアになるのだろうか。



臆病な脚をまた一歩そっと前に運んだ時だった。


声が聞こえてきた。


「も、ももももももう我慢できません」

「どんだけイラチだよ!さっきから5分しか経ってねぇぞ!」

「5分も待ちました」


男二人の話し声。

それもなんかちょっと揉めてるっぽい。