ガン、ガン!と物々しい音と共に、軽自動車が揺れている。
フロントガラス。
雪を払ったワイパーの跡だけが、クリアに外の景色を見せていた。
外は雪だ。
こんこんと降り続いて、真っ白な世界を創り上げている。
ああ、キレイだなぁ。
「――聞いてんのか……よッ!!!」
ガツン、と右耳に衝撃が走った。
ピー、と不快な耳鳴りが頭に響く。
ん? なんて?
振り返る隙もなく、今度は左頬を殴られた。
狭い車内、逃げ場のない助手席。
隣の運転席から、もう一発と拳を固める彼を見ながら。
どうしようもない後悔だけが、頭をぐるぐると回っていた。

