余所者-よそもの-

瑞生との距離はずいぶんとあった。
ちんたらしてたせいだ。

私は痛みや寒さを忘れて一心不乱に走り、瑞生を追いかけた。

やっと背中が見えてきたけれど、瑞生がこちらを気にする素振りはない。


怒っているのだろうか。
いや、怒ってるだろう。


問答無用で見ず知らずの女を押し付けられた瑞生が怒るのは当然だ。

――『凍え死にそうなんですけど』

それに車内で私や紫藤怜が話している間も外で待たされていたに違いないから。

寒いよね。
帰りたいよね。


私は……どこに帰るんだろう?


やっと前の背中に追いついた。
その距離は約2メートル。


私の足音に気が付いて、瑞生がこちらを振り返る。

すみません、と呼びかけてみるか。
ごめんなさい、から始めてみるか。