女?
女って、そんなの。
もしかしなくても。
「コレ」
手前に立っている紫藤怜が身体を傾けたことで、外に立つ男と私が、一直線上になった。
男は今初めて私の存在に気が付いた様子で驚いたようだったけれど、こちらを一瞥するなり紫藤怜へ強い視線をぶつけた。
「どういう…、ことだろう」
「言ったまんまだ。お前のトコのガキが暴れたツケはこれでチャラにしてやる」
ツケ……?
なんの話をしてるんだろう。
「預かるとは?いつまで?どういう形で?」
「知るかよ。んなモンこの女次第だろ」
「どこの女だ。ツケにしてもつり合いが取れない」
「おい」
「こんな面倒なことをやられるくらいなら、金で解決したほうがマシだ」
「オイ、お前」
すらすらと異議申し立てる男に向けられる低い声。
2人とも苛立っている。
「わかってねぇのか、お前」
紫藤怜は獣の唸りのように静かに威圧してから、吠えた。
「これは、お前のトコの従業員が暴れた責任を、俺が、お前に、どう償わせるかの話だ」
一言一言、まるで言葉で男を殴るようだ。
真正面で喰らう男は、言葉のたびに眉間の皺を深めた。
「受ける、受けねぇの話じゃねぇんだよ。そもそも、お前に代償を選択する権利なんざねぇ」
