余所者-よそもの-

しかし……寒い。
雪の上で立ち止まることほんの数分。

頭だって冷えてきて、だんだんと現実が見えてきた。
やってしまった。

見知らぬ土地で、女が一人。
しかも雪の中。しかも肌着だけを身に着けて。

お金もない、スマホもない、土地勘もない。


ここは、どこだっけ?
たしか温泉旅館から車で走って、まだ1時間も経ってなかったと思う。

どうしてスマホの一つ持って出られなかったんだろう。
ニットの1枚でもあればなぁ。


頭が割れるように痛い。
打たれた頬も、腕も、全部痛いのに、だんだん寒さで感覚がなくなってきた。


ここは大きな交差点。
少し歩けばシャッターの閉じた古いお店がいくつか見えた。
遠くの方に街明かりがあって、きっとここは街の外れなんだろう。

人通りなんてない。


私、ここで死んじゃうのかな。