オレンジじゃない夕方





 次の日の20分休み、私は敬を屋上に呼びだした。
 晴れて心地よい風の吹く屋上には誰もいなくて、なんとなく、青春時代の残像、といった影があった。


 私はここで、やっと、敬に思いを打ち明けるつもりだった。

 
「浅井くんに告白された。」

 
 敬を見上げると、敬は、すっきりと澄んだ眼差しで私を見返した。数秒。


「わざわざ何?」


 思いの外低い平坦な声でそう言われたので、私は顔をあげた。

 
「だからそれが何?」


 敬が口を開いた。

 
「僕には関係ないよ。っていうか良くわかんない。原さん、何を一人で勝手に盛り上がってるの?」


 私は、言葉に詰まって、そこから先を言えなかった。