オレンジじゃない夕方





  
 帰りのホームルーム後、また部活に出なかった敬と昇降口を出た。


「最近、よく浅井と話してるけど、本の話をしてるの?」


 歩きながら敬が言った。


「違うよ。」

「別に良いけど。浅井は本好きではなさそう。」


 敬が言った。


「原さんが……」


 敬の言った言葉が聞こえなかった私は聞き返した。


「え、何?」

「なんでもない。」


 敬が言った。続けた。

  
「宵時間も、この頃は青くない。ただのオレンジだね。」