オレンジじゃない夕方






 水曜日は図書委員の日だ。

 私達は職員室で鍵を貰ってから、図書室を開放する。

 カードの整理の後、返却されて溜まっていた本を並べ直した。

 基本的には借りた人が棚に戻すのだが、面倒くさがってそうしない人も居る。

 私はカウンターに座って、小説を開いていた。

 敬が言った。


「人の運命って不思議だね。」


 敬はカウンター横のおすすめ本の整理をしていた。

「もしこの中学で出会えなかったら僕と原さんは知り合ってない。図書室で秘密の話なんてまるで絵空事だね。」


 私は小説を開きながら考えて言った。

 
「宇宙って」

「え?」

「宇宙って広くて。学校とかこういう単位の中で偶然出会うなんて思えない。言ってる事そういう事?」


 敬はやがてくすくす笑い出した。
  
「原さんが宇宙って言いだして面白い。」