オレンジじゃない夕方





 学校という場所は不思議だ。
 一番多感な時期の者達を集めて隔離して澄ましている。
 その中で色々な事が起きる。



 

 昼休み。

 教科係は仕事をしていないらしい。
 
 先生にプリントを運ぶのを頼まれた私は、職員室から教室までさっきから何度も往復していた。

 4種目のプリントを引き取ろうと職員室を開けると、茶髪の背の高い男子生徒が担任に小言を言われていた。


「……お前らがしっかりしないから、原さんに頼んじゃったじゃないか。謝れ、原さんに」

「すいません」



 後ろに立っていた私に気付かなかった茶髪の男子生徒は悪戯がバレた時の様な顔をして、先生に謝罪した。


「あ、原。教科係来たぞ」


 男子生徒はそこでやっと振り返った。

 くっきりとした目鼻立ちに薄い眉。
 よく見れば、この人は目立つ美形なんじゃないか。
 私が冷静に判断していると、先生が鼻をならした。
 

「浅井だけしか来なかったけどな。こら浅井、女子に持たせるんじゃない。」


 浅井と呼ばれた男子は、私に優しく


「ごめんね」


 と言うと、先生のデスクからプリントの束を取った。