オレンジじゃない夕方



 


 何日かの雨続きの後、打って変わって空はクリアに晴れた。

 学校へ行くとき、まだ残っている水溜まりに空が反射して、不思議な鏡の様になっている。

 日光のいい匂いがする。

 学校へ着くと、敬がもう着いていて、隣の席の私をこう誘った。


「原さん、ひなたに出ない?」


 敬について階段を降りて上履きのまま中庭に出ると、外は寒かったが冬の花が咲いていて綺麗だった。


「晴れの日は健康になるよね」

 
 私が言った。


「健康っていうか、幸せ指数が上がるかと思ったんだけど」


 敬が言うと、空を仰いだ。


「雨上がりの日は祝福されてる気がする。」


 私が言った。

 
「昨日まで降ってたのが嘘みたい。」

「あんまり居ると風邪ひくから、もうちょっとしたら中に入ろう」


 敬が言った。


「この季節、風邪は大敵だよ。原さん、気をつけなね。」