その足で家へ帰ると慶太がキッチンでパンケーキを作っていた。
「パンケーキ」
「そう」
慶太は白いお皿にフライパンから丸いパンケーキを乗せると、シロップたっぷりかけた。
「れねにあげるよ」
「ありがと」
「具合悪そう。なんかあった時の顔してる」
「別に」
お皿を取ってリビングに入ると、れねはテーブルでパンケーキを食べ始めた。
「れねに報告」
ダイニングでパンケーキを頬張りながら、慶太が口を開いた。
「なに」
「学校で、女子にキスされちゃった」
「……」
慶太はフォークを持った手を止めて、れねを見やった。
「なんで」
「知らない。僕の事好きなのかも。」
「良かったじゃん」
「別に好きな女子じゃなくて、ただ、ぼーっとしてたらされちゃったんだ。するって思ってなかったから」
「ふーん」
「で」
慶太がれねをじっと見た。
「その事についてどう思う?」
「どうって?」
「何も思わない?。僕がキスされてかわいそーとか、嫌だなあとか思う?」
「思わない」
「だよねえ」
慶太は小さくため息をつくと、空になったパンケーキの皿を片付け始めた。


