水溜りの虹

「沙織ーーお客さんよーー」


出向くと花を購入していた、野本先生だった。


「臼井沙織。こっち来なさい」


花屋を出て外に向かう。


「パジャマ姿だったか。着替えてから来なさい。
先生待ってるから」


優しい温度を感じた声が耳元に響いた。


ワンピースに着替えてくるとーー。


「悪かった」


なんで先生が謝るのーー?


と思った矢先。


「薔薇の花束素直に嬉しかったよ。
あの子は退院したからいつでも病棟おいで」



涙が溢れ出た。


先生のその言葉を待っていたから。



欲しがっていたから。



「先生……刺されたりしてないですか?」



先生は強調して、


「刺されてない。五体満足だ」



「本当ですか……?お腹も……背中も?」