「お姉ちゃんは常々、私をお荷物扱いしていたはずです。入院していた間、お姉ちゃんが私の悪口を言い触らしていたのを、園子夫人もご存知ですよね」
「で、でもあれは……尚史くんが栞さんに手を出したからで。琴美さんだって、面白くなくてやったことだと思っていたのよ」
「ではなぜ、今も芳口病院で私の悪口が囁かれるのでしょうか?」
園子夫人は言っていましたよね。転院を進めた時、『栞さんも今日来て分かったでしょう? 口さがないことを言われるのよ』と。
芳口病院は大病院だ。人の噂も七十五日というけれど、たった一度だけ入院しただけの一人の通院患者を、あれほどまでに攻撃するだろうか。毎日、何十人、何千人という患者を捌く芳口病院の看護師たちが。
「それは今も、お姉ちゃんが芳口病院で言っているからです。それほどまでに、お姉ちゃんは私のことを疎ましく思っているんですよ」
眉を下げ、視線を下の方に向け、まるで俯いているように見せる。こういう演技を身近で見てきたからできる行為だった。そういう点でも、姉には感謝しなくては。
だけど、こういう大胆なことができるようになったのは、尚史さんの影響が大きいと思っている。
だって、尚史さんを悪者にさせたくないから。私だって、尚史さんを守りたいから。そのためなら、なんだって出来るような気がした。
「で、でもあれは……尚史くんが栞さんに手を出したからで。琴美さんだって、面白くなくてやったことだと思っていたのよ」
「ではなぜ、今も芳口病院で私の悪口が囁かれるのでしょうか?」
園子夫人は言っていましたよね。転院を進めた時、『栞さんも今日来て分かったでしょう? 口さがないことを言われるのよ』と。
芳口病院は大病院だ。人の噂も七十五日というけれど、たった一度だけ入院しただけの一人の通院患者を、あれほどまでに攻撃するだろうか。毎日、何十人、何千人という患者を捌く芳口病院の看護師たちが。
「それは今も、お姉ちゃんが芳口病院で言っているからです。それほどまでに、お姉ちゃんは私のことを疎ましく思っているんですよ」
眉を下げ、視線を下の方に向け、まるで俯いているように見せる。こういう演技を身近で見てきたからできる行為だった。そういう点でも、姉には感謝しなくては。
だけど、こういう大胆なことができるようになったのは、尚史さんの影響が大きいと思っている。
だって、尚史さんを悪者にさせたくないから。私だって、尚史さんを守りたいから。そのためなら、なんだって出来るような気がした。



