「園子夫人のお気持ちは有り難いのですが、転院はいたしません」
ここまで私のことを思って提案してくれたのに、それを無下にするのは辛い。でも、尚史さんに逃げないで、と言った手前、私が逃げるわけにはいかなかった。
当然の如く、驚く園子夫人。
「でもね。すでに琴美さんが肩身の狭い想いを、院内でしている姿を見ているから……栞さんもあぁなってしまうのかと思うと、辛いのよ」
「えっ。お姉ちゃん、今そんな状態なんですか?」
「あぁ、そうだったわね。尚史くんと住んでいるから、琴美さんが今、どんな状況でどんな立場に置かれているのか、知り得なかったのね」
「私がお姉ちゃんと距離を取りたかったので、尚史さんはその気持ちを汲み取ってくれて……それで教えてくれなかったんだと思います」
どちらかというと、自分のことで手一杯だった、という方が正しいのかもしれない。
けれどそれも、園子夫人にとっては意外だったらしい。表情が一切変わらなかった。
ここまで私のことを思って提案してくれたのに、それを無下にするのは辛い。でも、尚史さんに逃げないで、と言った手前、私が逃げるわけにはいかなかった。
当然の如く、驚く園子夫人。
「でもね。すでに琴美さんが肩身の狭い想いを、院内でしている姿を見ているから……栞さんもあぁなってしまうのかと思うと、辛いのよ」
「えっ。お姉ちゃん、今そんな状態なんですか?」
「あぁ、そうだったわね。尚史くんと住んでいるから、琴美さんが今、どんな状況でどんな立場に置かれているのか、知り得なかったのね」
「私がお姉ちゃんと距離を取りたかったので、尚史さんはその気持ちを汲み取ってくれて……それで教えてくれなかったんだと思います」
どちらかというと、自分のことで手一杯だった、という方が正しいのかもしれない。
けれどそれも、園子夫人にとっては意外だったらしい。表情が一切変わらなかった。



