私、堕ちていないけど……と思っていると、いつの間にか靴を脱いだのか、尚史さんに横抱きにされた。その途端、松葉杖がバタンッと大きな音を立てて床に倒れる。
おそらく下に響いたであろう、と思うものの、今の私たちに気にしている暇はなかった。
「ミャーミャー鳴いている猫を拾って、家に持ち帰ったんだからな」
「っ! ミャーミャー言っていないし……って、誰のせいだと思っているのよ!」
「はいはい」
私の言葉なんて聞いていないような軽口をいう尚史さん。普段なら「まったくもう!」と怒っているところだが、今はそれが嬉しかった。ようやくいつもの尚史さんらしさが帰って来たような気がしたからだ。
おそらく下に響いたであろう、と思うものの、今の私たちに気にしている暇はなかった。
「ミャーミャー鳴いている猫を拾って、家に持ち帰ったんだからな」
「っ! ミャーミャー言っていないし……って、誰のせいだと思っているのよ!」
「はいはい」
私の言葉なんて聞いていないような軽口をいう尚史さん。普段なら「まったくもう!」と怒っているところだが、今はそれが嬉しかった。ようやくいつもの尚史さんらしさが帰って来たような気がしたからだ。



