腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「支えたいって気持ちも本当だよ。だから、もう隠さないで。尚史さんが辛そうにしている姿を見るのなら、一緒に味わいたいの。それにね。私に罪悪感を抱く必要はないんだよ」
「なんで……今、こんな不自由な想いをしているのは、俺が原因だろう?」
「う~ん。ちょっと違うかな。尚史さんの言葉を借りるのなら、今、ここにいられるのは、尚史さんのお陰だよ。そこを履き違えないで」

 過程はともかく、結果は私の望み通りだ。

「分からないのなら、話し合おう? ちょうど事故について、ちゃんと聞きたいと思っていたところだったから」

 それでも口を開いてくれない尚史さんに、もう一度言う。私の手を払うどころか、掴んでくれているんだもの。望みはある。

「尚史さんのごちゃごちゃした感情を、一緒にスッキリさせてほしいの。多分、尚史さんが求めている答えをあげられるのは、私だけだと思うから。そうでしょう?」
「……そうだな。俺は……ずっと栞に聞いてほしかったのかもしれない。どうしてあんなことを企てたのか。そこまで堕ちたのか」
「堕ちていないよ。私が途中で拾い上げたんだから」
「そうだったな。いや、違う。拾ったのは俺だろう?」
「えっ?」