「……そのためには、確かに私が必要だよね。お姉ちゃんは常に私をダシにいい子に見せたり、苦労人を装っていたりしていたから」
「苦労人は事実でしょう!」
「お姉ちゃんの学費を払ったのは私だよ! 私より苦労していないくせに、よくそんなことが言えるわね。その学費だって、返すって言っていたのにまだだし。今すぐ返してよ。そしたら戻ってあげるから」
「……無理よ」
ほらね。今すぐは無理でも、「あとでちゃんと返すから」も言えないのだ。つまり返済する意思など、元からないというわけである。
分かっていたけれど、態度で示されると、改めて悔しかった。これまでの人生、本当に姉に搾取されてきたのだと思い知らされたからだ。
私は口をギュッと堅く結んだ。
「それでもよく考えて、栞。足の怪我はその男がやったことも同然なのよ。間接的でも、主犯であることには変わりないのだから。そんな男と、これからもやっていくつもりなの?」
「っ! 栞、俺は……」
傍で苦痛な声を出す尚史さん。私は安心させるように微笑んだ。そして、真逆の顔を姉に向ける。
「論点をすり替えないで、お姉ちゃん。そもそも湊さんが尚史さんを利用しなければ、起こらなかったことでしょう? あとお姉ちゃんが湊さんに乗り換えなければ、とも言いきれるけど」
だからね、すべてを尚史さんに押しつけるのは、筋違いだよ。
「苦労人は事実でしょう!」
「お姉ちゃんの学費を払ったのは私だよ! 私より苦労していないくせに、よくそんなことが言えるわね。その学費だって、返すって言っていたのにまだだし。今すぐ返してよ。そしたら戻ってあげるから」
「……無理よ」
ほらね。今すぐは無理でも、「あとでちゃんと返すから」も言えないのだ。つまり返済する意思など、元からないというわけである。
分かっていたけれど、態度で示されると、改めて悔しかった。これまでの人生、本当に姉に搾取されてきたのだと思い知らされたからだ。
私は口をギュッと堅く結んだ。
「それでもよく考えて、栞。足の怪我はその男がやったことも同然なのよ。間接的でも、主犯であることには変わりないのだから。そんな男と、これからもやっていくつもりなの?」
「っ! 栞、俺は……」
傍で苦痛な声を出す尚史さん。私は安心させるように微笑んだ。そして、真逆の顔を姉に向ける。
「論点をすり替えないで、お姉ちゃん。そもそも湊さんが尚史さんを利用しなければ、起こらなかったことでしょう? あとお姉ちゃんが湊さんに乗り換えなければ、とも言いきれるけど」
だからね、すべてを尚史さんに押しつけるのは、筋違いだよ。



