腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

 そんなギリギリの生活の中、姉が晴れて看護学校を卒業。看護師になってからは、だいぶ生活しやすくなっていた。確かに引っ越しは馬鹿にならなかったけれど、それでも姉妹支え合えば十分、生活していけた。今まで通り節約を欠かさなければ、の話だが。

 それなのに、姉は優良物件を捕まえたことを、どうして黙っていたのか。もしかして、私がたかるとでも思っていたの? 看護師になるまで支えてきたのは、この私よ!

 これからの入院生活よりも、裏切られた想いでいっぱいになった。

「……お姉ちゃん、おめでとう。それから院長夫人。姉共々、よろしくお願いします」

 それでも私は、祝いの言葉を口にして、下げられない頭の代わりに、笑顔を顔に貼り付けた。掛け布団の上で組まれた手を、ギュっと握り締めながら。