腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

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 案の定というべきか、姉は私を悪者に仕立てていた。姉の勤務先で、不埒なことをしている妹だとか。入院患者なのに、医者と……いや、医者を誑かしている? だったかな。
 けれど相手が岡先生であったためか、思った以上の効果は得られなかったらしい。

「あの……」
「なんだ?」

 芳口病院の庭で、ベンチに座る岡先生に声をかけた。

 私はというと、相変わらず車椅子の上。今日も今日とて、姉と湊さんのアリバイ作りのために、ここでのんびりと過ごしていたのだ。
 それも何時に帰ってくるのか分からない二人を待っている。おそらく、今日も長いのだろう。だからこそ、聞いてみたかった。

「岡先生の評判って、どのくらい悪いのですか?」
「っ! ……それを俺に聞くのか?」
「他に聞く相手がいないので」

 姉が流した噂により、私と世間話をしようとする看護師と医者がいないのだ。だから、噂の詳細も実は分かっていない。とはいえ、姉に聞くなんて……罰ゲームもいいところである。

 聞いたが最後。岡先生の悪口を永遠と聞かされ、別れるように強要してくることだろう。それでは私と岡先生の計画が台無しになってしまう。