腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「お、岡先生っ!」

 しかし、この声はそれに対してのものではない。岡先生は私の背中に腕を回し、気がつくとそのままベッドに横たわらせていた。
 そして、先ほどの続きだと言わんばかりに岡先生の顔が近づく。

「まっ……」

 て、という言葉は、そのまま岡先生の唇に塞がれてしまい、発せられなかった。代わりに「んっ」と声が漏れる。

 けれど気にしている暇はなかった。岡先生の舌が私の口内を蹂躙するのは早かったからだ。それなのに今度はゆっくりと、まるで味わうかのように優しいものへと変わり……。

「はぁ〜」

 唇が離れた瞬間、空気を求めてしまい、再び声が出てしまった。病室にはまだ姉がいるというのにもかかわらず。

 咄嗟に口を手で覆っても、後の祭り。それでも羞恥に支配されていた私には、必要不可欠な行為だった。岡先生の顔がまだ、近くにあったからだ。

 またあんなキスを、周囲に人がいる中でされたら、今度こそ耐えられない!