「確かにな。地盤を引き継いだことで、大々的な宣伝をすることなく、クリニックを維持していけている。これが湊の持っていたものかぁ、と思うと、その凄さを実感するよ。俺のような、何も持っていない、ただの雇われ医者の立場からするとな」
「尚史さんの人徳のなせる業だよ」
「忘れていると思うが、芳口病院一の悪徳外科医だったんだぞ」
「そして策士でもある。弦さんを唆した件が、悪運を通り越して、幸運を引き寄せたんじゃない?」
思わず、その引き寄せた象徴ともいうべきクリニックに、私は手を掲げた。
「どちらかというと、幸運の女神を呼び寄せた、の間違いじゃないのか?」
「さすがにそんな大それたことは……言えないよ」
「そうか? 今日の食事会だって、栞のために……ってそれよりも、早く向かわないか?」
なんだろう。ちょっとはぐらかされたような気もするけど、尚史さんの言う通り、今日は色々とお世話になった恩師夫婦との食事会があるのだ。
クリニックの開業が無事に済み。恩師からの引き継ぎも上手くいったので、そのお祝いとして、場を設けてくれたのだ。
何から何まで、本当にいい方たちだ。
私たちは、クリニックの駐車場に停まっているタクシーに乗り、会場であるホテルへと向かった。
「尚史さんの人徳のなせる業だよ」
「忘れていると思うが、芳口病院一の悪徳外科医だったんだぞ」
「そして策士でもある。弦さんを唆した件が、悪運を通り越して、幸運を引き寄せたんじゃない?」
思わず、その引き寄せた象徴ともいうべきクリニックに、私は手を掲げた。
「どちらかというと、幸運の女神を呼び寄せた、の間違いじゃないのか?」
「さすがにそんな大それたことは……言えないよ」
「そうか? 今日の食事会だって、栞のために……ってそれよりも、早く向かわないか?」
なんだろう。ちょっとはぐらかされたような気もするけど、尚史さんの言う通り、今日は色々とお世話になった恩師夫婦との食事会があるのだ。
クリニックの開業が無事に済み。恩師からの引き継ぎも上手くいったので、そのお祝いとして、場を設けてくれたのだ。
何から何まで、本当にいい方たちだ。
私たちは、クリニックの駐車場に停まっているタクシーに乗り、会場であるホテルへと向かった。



