腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「こっちの意味だ。まさか頭まで、あの頃に戻ったんじゃないだろうな。俺たちはもう恋人で、これから夫婦になるんだぞ」
「あっ……」

 体の負担って、そういう意味!?

 再びキスをされた瞬間、体ごと引き寄せられた。私も尚史さんの首に腕を回すと、体を抱き上げられ、そのまま寝室へ。

 目を開けた時はもう、尚史さんに見下されていた。

「これから苦労をかけると思うが、ついてきてくれるか?」
「勿論だよ。その苦労は利用されるものじゃないもの。私たちの未来のための苦労だよ」

 どんなに大変でも、我慢できる苦労。誰のためでもない、自分が幸せになる苦労だ。
 姉から与えられるものなら苦痛だけど、尚史さんと乗り越えるものなら、きっと楽しいだろう。

 私は手を伸ばし、尚史さんの顔に触れた。

「一緒に背負わせて。支えさせて」
「ありがとう……愛している、栞」

 そっと私の手に重ねて、さっきよりも熱を帯びた目が迫ってくる。確信を得た瞳。それが嬉しくて、目を閉じる前に、求められている言葉を口にした。