「評判が悪くなった湊は、もう俺たちを利用しようとはしないはずだ。元々悪評だらけの俺らだからな。これ以上は難しいだろう。だが、琴美は違う。上手くやれば巻き込まれた被害者、という立場を得られる。一ノ瀬妹。あんたを利用すればな」
「っ! だから、立ち会わない方がいいってこと? 足手まといになるから」
どうして弦さんに言われるまで、気がつかなかったんだろう。お姉ちゃんなら、平気でそんなことをするのに。
「違う。俺たちは嫌っというほど、利用され続けてきたんだ。最後の最後まで、同じ想いをする必要はない。してほしくないから言っているんだ」
「同感」
「尚史さんは分かるけど……どうして弦さんも? 示談を速めたのは、お姉ちゃんへの嫌がらせなんですよ」
「そこは……まぁ、謝罪だよ。俺の腹いせに巻き込んで怪我させたことへのな。本当に悪かった」
弦さんはそういうと、立ち上がって私に頭を下げた。さっきまで、ふてぶてしい態度をしていたから、戸惑ってしまった。
「あ、頭をあげてください。確かに痛い思いはしたし、轢き逃げされたけど、その時の記憶はおぼろげで、気がついたら病院のベッドで寝かされていたんです」
警察や園子夫人の話だと、車に轢かれた後、すぐに救急車に乗って病院に運ばれたそうだ。路上で放置されていたのがほんの僅かだったのと、意識がなかったことが幸いして、轢いた犯人に対する怒りはあまりなかった。
どちらかというと、その後の入院生活に全部持って行かれたというか。轢いた犯人よりも、尚史さんが唆した、という事実が凄すぎて。
「っ! だから、立ち会わない方がいいってこと? 足手まといになるから」
どうして弦さんに言われるまで、気がつかなかったんだろう。お姉ちゃんなら、平気でそんなことをするのに。
「違う。俺たちは嫌っというほど、利用され続けてきたんだ。最後の最後まで、同じ想いをする必要はない。してほしくないから言っているんだ」
「同感」
「尚史さんは分かるけど……どうして弦さんも? 示談を速めたのは、お姉ちゃんへの嫌がらせなんですよ」
「そこは……まぁ、謝罪だよ。俺の腹いせに巻き込んで怪我させたことへのな。本当に悪かった」
弦さんはそういうと、立ち上がって私に頭を下げた。さっきまで、ふてぶてしい態度をしていたから、戸惑ってしまった。
「あ、頭をあげてください。確かに痛い思いはしたし、轢き逃げされたけど、その時の記憶はおぼろげで、気がついたら病院のベッドで寝かされていたんです」
警察や園子夫人の話だと、車に轢かれた後、すぐに救急車に乗って病院に運ばれたそうだ。路上で放置されていたのがほんの僅かだったのと、意識がなかったことが幸いして、轢いた犯人に対する怒りはあまりなかった。
どちらかというと、その後の入院生活に全部持って行かれたというか。轢いた犯人よりも、尚史さんが唆した、という事実が凄すぎて。



