「これはあくまでも俺の予測なんですが、弦が出てくる方が、湊にとって都合が悪い、と思っているのではないでしょうか」
「芳口先生の? なぜですか? わざわざ身内に前科者を作らずに済むんですよ」
「それは、ほら。湊が疑われているでしょう? 真実がなんであれ、弦が出て来たら、腹いせとばかりにあることないこと、言い触らされそうだと思ったんじゃないですか?」
実際はどうだか知らないが、出てきてもらって困るのは、俺も同じだ。そして一ノ瀬姉も同じ考えをしている。けれど湊がそれを栞に頼みに来たということは……栞は示談を選んだことになる。
昨日、そのことも話せばよかったのだが……怪我の確認で、それどころではなかった。
「酷いですね。自分の都合で……いくら身内とはいえ、人の人生をなんだと思っていることやら」
栞を轢いておいて、と思ったが、俺は何も言わなかった。すでに弦を唆して、栞を轢くように誘導した身だ。湊と何も変わらない。
弦の人生がどうなろうが、湊が今後、どんな目で見られるかなど、どうでもいい。
「湊は自分の患者でさえ、俺に丸投げして来る人間ですよ。何を今更」
「あっ……そう、でしたね」
これからは芳口病院一の評判の悪い男になるのは、湊。お前になるんだからな。
「芳口先生の? なぜですか? わざわざ身内に前科者を作らずに済むんですよ」
「それは、ほら。湊が疑われているでしょう? 真実がなんであれ、弦が出て来たら、腹いせとばかりにあることないこと、言い触らされそうだと思ったんじゃないですか?」
実際はどうだか知らないが、出てきてもらって困るのは、俺も同じだ。そして一ノ瀬姉も同じ考えをしている。けれど湊がそれを栞に頼みに来たということは……栞は示談を選んだことになる。
昨日、そのことも話せばよかったのだが……怪我の確認で、それどころではなかった。
「酷いですね。自分の都合で……いくら身内とはいえ、人の人生をなんだと思っていることやら」
栞を轢いておいて、と思ったが、俺は何も言わなかった。すでに弦を唆して、栞を轢くように誘導した身だ。湊と何も変わらない。
弦の人生がどうなろうが、湊が今後、どんな目で見られるかなど、どうでもいい。
「湊は自分の患者でさえ、俺に丸投げして来る人間ですよ。何を今更」
「あっ……そう、でしたね」
これからは芳口病院一の評判の悪い男になるのは、湊。お前になるんだからな。



