腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

 さらっと凄いことを言ってきた尚史さん。そんな私の驚きなど気にすることなく、尚史さんはキッチンへと入っていった。
 おそらく私の好きなローズヒップティーを淹れてくれているのだろう。ローズヒップティーには、女性ホルモンの分泌バランスを整える効果があるらしく、疲労回復にもいい。だから愛用して飲んでいるんだけど、他にもイライラを軽減する効果もあるらしく、私の今の状態にピッタリなのだ。

 どうせなら自分で淹れたいところなのだが、足が完治していない間は、キッチンへの出入りは禁止されていた。勿論、尚史さんのいない時は、慎重に出入りしているけれど。
 だから私は大人しく、ソファーに座って待つことにした。

「それでも、なんか悔しいよ……」

 やるせない想いが、口からこぼれた。

「栞は……どんな結末を望んでいるんだ?」
「えっ?」

 気がつくと、マグカップを二つ持った尚史さんが近くに立っていた。