「もしも一ノ瀬姉が逆上して、弦を唆したのが俺だと言ってみろ。警察署の前にいる警官が、すべての事件や事故を把握していないだろうから、まぁ問題はないが。湊は違う。一ノ瀬姉の話を聞いて、どう出るのか。それは俺にも予想がつかないんだ」
「……尚史さんに裏切られた、と思うから?」
「俺だけじゃなく、一ノ瀬姉にも、な。どうして黙っていたのか、追及される恐れがあったからだ。その比率が一ノ瀬姉に傾いていたら、もう収拾がつかなくなる」
「湊さんに詰め寄られたら……お姉ちゃんは全部、尚史さんのせいにするよ」
これまでがそうだったように、責任を押しつけるだろう。自分は何も悪くない。だって自分は可哀想な人間なのだから。それを目一杯、湊さんにアピールするだろう。
「さっきだって、尚史さんのせいにしていたし」
「……だが、一ノ瀬姉を避けていたのは合っていたからな。あながち間違いじゃないんだ」
「それがお姉ちゃんの手口なんだよ。真実と嘘を織り交ぜるから、訂正するのが面倒で……結局、諦めちゃうの。いちいち指摘している方が疲れちゃって」
「元々、相手を疲れさせるための手段だからな。俺もよく使う手だ。だが、やられると、確かに面倒だな」
「……尚史さんに裏切られた、と思うから?」
「俺だけじゃなく、一ノ瀬姉にも、な。どうして黙っていたのか、追及される恐れがあったからだ。その比率が一ノ瀬姉に傾いていたら、もう収拾がつかなくなる」
「湊さんに詰め寄られたら……お姉ちゃんは全部、尚史さんのせいにするよ」
これまでがそうだったように、責任を押しつけるだろう。自分は何も悪くない。だって自分は可哀想な人間なのだから。それを目一杯、湊さんにアピールするだろう。
「さっきだって、尚史さんのせいにしていたし」
「……だが、一ノ瀬姉を避けていたのは合っていたからな。あながち間違いじゃないんだ」
「それがお姉ちゃんの手口なんだよ。真実と嘘を織り交ぜるから、訂正するのが面倒で……結局、諦めちゃうの。いちいち指摘している方が疲れちゃって」
「元々、相手を疲れさせるための手段だからな。俺もよく使う手だ。だが、やられると、確かに面倒だな」



