「弦を見捨てようとしていた、なんてね」
「……それを言うなら、湊さんも私と同じ考えだと思っていました。弦は危険人物だと。ううん。過去はそうではなかったとしても、今は湊さんの邪魔でしかない。そうではないのですか?」
「確かに邪魔だよ。昔も面倒な相手だったけど、今はさらにだ。だけど、いくら邪魔な存在でも、弦は身内なんだ。芳口病院は親族経営している。ボクに何かあった時は、弦が後を取る。弦はそれを、ただ履き違えただけで……」
「そんな考えだから、足元を掬われるんです! 私がなんで湊さんのところへ行ったのか、分からないんですか? 弦が芳口病院を滅茶苦茶にしようとしていたからで。だから私は、今回も芳口病院のために……ううん、湊さんのために、岡先生を通して栞に伝えようとしていたんです!」
私に何を伝えようとしたのか、は後で尚史さんに聞くとして……なんだろう。この迫真の演技を見せられている気分は。いや、茶番ともいうべきか。
思わず尚史さんの方を見ると、どうやら同じ気分だったらしい。目を閉じて、首を横に振られてしまった。
「……それを言うなら、湊さんも私と同じ考えだと思っていました。弦は危険人物だと。ううん。過去はそうではなかったとしても、今は湊さんの邪魔でしかない。そうではないのですか?」
「確かに邪魔だよ。昔も面倒な相手だったけど、今はさらにだ。だけど、いくら邪魔な存在でも、弦は身内なんだ。芳口病院は親族経営している。ボクに何かあった時は、弦が後を取る。弦はそれを、ただ履き違えただけで……」
「そんな考えだから、足元を掬われるんです! 私がなんで湊さんのところへ行ったのか、分からないんですか? 弦が芳口病院を滅茶苦茶にしようとしていたからで。だから私は、今回も芳口病院のために……ううん、湊さんのために、岡先生を通して栞に伝えようとしていたんです!」
私に何を伝えようとしたのか、は後で尚史さんに聞くとして……なんだろう。この迫真の演技を見せられている気分は。いや、茶番ともいうべきか。
思わず尚史さんの方を見ると、どうやら同じ気分だったらしい。目を閉じて、首を横に振られてしまった。



