「……な、なんで? 栞の補助なら、まず姉である私に言うべきじゃない? 湊さんは忙しいんだから」
「それは尚史に対して? それともボクに対して言っているの?」
「っ!」
ここからは湊さんの顔は見えなかったが、姉が言葉を詰まらせる、ということは、それなりに怒った表情をしていたのかもしれない。私の耳には、普段の湊さんとは思えないような低い声が聞こえたのだ。
「まぁ、それはどっちでもいいけど。僕は外れたとはいえ、栞さんの主治医だったわけだし、尚史にも悪いと思っていたんだ。だからこれくらいはしようと、来たわけだけど……驚いたよ」
湊さんの言葉に、姉は固まった。おそらく、どこから聞いていたのか、とでも思っているのだろう。私は湊さんと一緒に……厳密には、また迷子にならないように、共に出てきたから知っている。
「岡先生にとっても、危険人物でしょう?」と、姉が弦さんをどんな人物だと捉えているのか、分かる場面だった。その後、尚史さんが反論することなく、苦しそうだったから、私は駆け寄ったのだ。湊さんを一人、残して。
姉の言葉を、湊さんがどんな表情で聞いていたのか。私たちは湊さんの言葉を待った。
「それは尚史に対して? それともボクに対して言っているの?」
「っ!」
ここからは湊さんの顔は見えなかったが、姉が言葉を詰まらせる、ということは、それなりに怒った表情をしていたのかもしれない。私の耳には、普段の湊さんとは思えないような低い声が聞こえたのだ。
「まぁ、それはどっちでもいいけど。僕は外れたとはいえ、栞さんの主治医だったわけだし、尚史にも悪いと思っていたんだ。だからこれくらいはしようと、来たわけだけど……驚いたよ」
湊さんの言葉に、姉は固まった。おそらく、どこから聞いていたのか、とでも思っているのだろう。私は湊さんと一緒に……厳密には、また迷子にならないように、共に出てきたから知っている。
「岡先生にとっても、危険人物でしょう?」と、姉が弦さんをどんな人物だと捉えているのか、分かる場面だった。その後、尚史さんが反論することなく、苦しそうだったから、私は駆け寄ったのだ。湊さんを一人、残して。
姉の言葉を、湊さんがどんな表情で聞いていたのか。私たちは湊さんの言葉を待った。



