腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「詳しいことは帰ったら話す」
「うん。でも、無理はしなくていいよ」

 姉と何を話したのか。聞きたいのは山々だけど、言いたくない内容もあるだろう。それよりも、姉が何を尚史さんに言ったのか、が気になった。
 だけど今は尚史さん本人だ。普段から外で、弱気な姿を見せる人じゃないのに……。

 思わず尚史さんのシャツを握りしめた。すると、なぜか優しく頭を撫でられてしまう。

「無理はしていない。むしろ、いい頃合いだと思っている」
「頃合い?」

 なんのことだろうと聞き返すと、私たちの横を誰かが通り過ぎていった。尚史さんの体で、誰だか分からなかったが、すぐに聞こえてきた声で、誰なのか分かった。
 なぜならその人とは、警察署内でお世話になったからだ。