「冗談、だよね」
「ニュースでもあるだろう? 施術中とか、救急車で患者にわいせつな行為をした。アレと同じだ」
「……私たちは恋人、だよ?」
「しかも俺は医者で、担当医だ。恋人という前提があっても、白い目で見られることは確実だ。だから完治するまでは何もするな」
その割に、私の首筋に顔を埋めるのはなんでだろう。まだ甘え足りないってことなのかな。でも余計なことをすれば、尚史さんが困る。だけど今まさに困っているのは私の方。
「……くすぐったい」
「仕方がないだろう。聞き捨てならない言葉を聞いたんだから」
「私、変なこと言った?」
「……誰かと付き合ったことがないって」
「だ、だって、彼氏とか作っている暇なんてなかったから……」
両親を亡くしたのは、六年前。十六歳の時だ。同級生が彼氏を作って、学生生活を謳歌している時、私は高校を退学して就職。さらに引っ越しも重なり、慣れない職場と土地に右往左往しながら、十代後半を慌ただしく駆け抜けた。
けれどそれは、言い訳に過ぎない。波乱万丈の人生を送っていた人でも、彼氏の一人や二人、いる人はいるのだ。だから二十二歳にもなって、年齢イコール彼氏いない、という事実は恥ずかしかった。
「ニュースでもあるだろう? 施術中とか、救急車で患者にわいせつな行為をした。アレと同じだ」
「……私たちは恋人、だよ?」
「しかも俺は医者で、担当医だ。恋人という前提があっても、白い目で見られることは確実だ。だから完治するまでは何もするな」
その割に、私の首筋に顔を埋めるのはなんでだろう。まだ甘え足りないってことなのかな。でも余計なことをすれば、尚史さんが困る。だけど今まさに困っているのは私の方。
「……くすぐったい」
「仕方がないだろう。聞き捨てならない言葉を聞いたんだから」
「私、変なこと言った?」
「……誰かと付き合ったことがないって」
「だ、だって、彼氏とか作っている暇なんてなかったから……」
両親を亡くしたのは、六年前。十六歳の時だ。同級生が彼氏を作って、学生生活を謳歌している時、私は高校を退学して就職。さらに引っ越しも重なり、慣れない職場と土地に右往左往しながら、十代後半を慌ただしく駆け抜けた。
けれどそれは、言い訳に過ぎない。波乱万丈の人生を送っていた人でも、彼氏の一人や二人、いる人はいるのだ。だから二十二歳にもなって、年齢イコール彼氏いない、という事実は恥ずかしかった。



