腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「私たちは恋人だけど、同志でもあるんだよ。甘えたい時は我慢しないでほしい。私も、尚史さんとキス……したいから」

 恥ずかしいけれど、頑張って両手を伸ばした。すると尚史さんは、私の両手を素通りし、距離を一気に詰めてきてくれた。抱きしめている時間さえも惜しいとばかりに、唇が触れ、舌を捻じ込まれる。
 芳口病院にいた時と同じ、私を蹂躙するキス。もう誰かに見せつけるものではないけれど、その荒々しさが愛おしく感じた。尚史さんらしい、と思うからだろう。
 最近の尚史さんは、らしくなかったから。

「んあっ……」

 唇が離れると、すぐにまた塞がれる。今度は優しく。まるでさっきのキスに対する、詫びのようにさえ感じてしまう。だから私は尚史さんの首に腕を回して、催促した。
 もっとして、と。