腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

「ただ一つ、問題があるだけで」
「な、何? その問題って」
「……キスがしたい」
「えっ!? いきなり何を……」
「いきなりじゃない。気がついていないと思うが、退院してから、ずっと手を出さずに我慢してきたんだぞ」

 それは……多少なりと気がついていた。尚史さんの我慢ではなく、していないということに。色々とバタバタしていたし、姉がやって来たり、事故のことだったりで、そんな雰囲気じゃなかったから。それに……。

「な、尚史さんが言ったんじゃない。「完治するまではするつもりはない」って。だから……」
「あれはそういう意味じゃない。だけどキスしたら、我慢できなくなると思ったんだ。それで……ずっと耐えてきたというか」

 湊さんの件で、変に耐性ができているのかな。耐えるところが違うというか、なんというか。