腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

 具体的に聞くと、心配そうにしている姉を見かけたら、今の私と同じようにお茶に誘ったり、一緒に出掛けたりしているのだそうだ。それもすべて、湊から言われてしている、とのこと。

 姉の会話の中には私のこともあり、尚史さんに任せっきりで心配しているらしい。だけど園子夫人は尚史さんを信頼しているため、「大丈夫。心配いらないわ」と言ってくれていた。

 おそらく姉は、今の私と同じで、不服な感情を抱いていたと思う。けれど園子夫人の反応を見ると、私と違い、表情には出していなかったことが窺えた。

 そういう点でも、私はまだ子どもなのだ。園子夫人の言葉の端々で感じる、「まだ子どもなのね」「大人になりなさい」という、ザラっとした感情。
 恥ずかしいというより、怒りが勝っている点でも、私は子どもだった。

「……病院内での尚史さんはどうですか?」
「尚史くん?」
「はい。ここ最近、気落ちしている姿を見ていたので、やはり湊さんの……」

 尻拭いをしていることを、園子夫人は知っているのか、と思った瞬間、手で口元を隠した。けれど姉の所業も、許容範囲で納得してしまうのだから、もしかしたら……。

 そう思って、さらに手を下に降ろした時だった。