指先で恋を伝えて



残された私と雅人さんは、ポカンと顔を見合わせる。
そして、雅人さんがポツリと言う。

「やられた!」

「あの……」

「ごめん。彩羽にはめられたみたいだ。……レストランの予約もあるし、このまま、一緒に行ってくれると助かる」

「……私でよければ」

「もちろん、美織さんがいい」

差し出されたその手を見つめる。
どうしてだろう。
ただ触れるだけなのに、胸が苦しくなる。