後日、天界には最高神ゼオスの『悪夢』を治療するため、眠りの神ヒュピヒュピが訪れていました。
ヒュピヒュピはかつてないほど深刻な顔で、目の前の王に告げました。
「……ゼオスよ。これは悪夢ではなく、もはや逃れられぬ『現実』として受け止めたほうがいい」
哀れなことに、最高神はまたしても眠っている間にアフディーの『悪戯』にかかっていました。
彼の威厳ある長い白髪も、口元や顎を覆う立派な髭も、そのすべてが器用な三つ編みにされ、毛先には可愛らしい真っ赤なリボンが結ばれていたのです。
狼狽えるゼオスをよそに、ヒュピヒュピは宮殿の窓から見える裏庭へ視線を向けました。
陽光が降り注ぐ花畑に、足を投げ出してくつろぐイリオネスの姿がありました。
その後ろでは、アフディーが満面の笑顔で、イリオネスの柔らかな髪にゆっくりとブラシを当てています。
イリオネスが、何かを語るように視線だけを背後のアフディーに向けると、アフディーはそれに応える様に顔をのぞかせ「ねーっ!」と、幸せそうな返事をしていました。
それは、どんな魔法でも、どんな血縁でも作り出せない、幸せという名の情景でした。
おしまい。
ヒュピヒュピはかつてないほど深刻な顔で、目の前の王に告げました。
「……ゼオスよ。これは悪夢ではなく、もはや逃れられぬ『現実』として受け止めたほうがいい」
哀れなことに、最高神はまたしても眠っている間にアフディーの『悪戯』にかかっていました。
彼の威厳ある長い白髪も、口元や顎を覆う立派な髭も、そのすべてが器用な三つ編みにされ、毛先には可愛らしい真っ赤なリボンが結ばれていたのです。
狼狽えるゼオスをよそに、ヒュピヒュピは宮殿の窓から見える裏庭へ視線を向けました。
陽光が降り注ぐ花畑に、足を投げ出してくつろぐイリオネスの姿がありました。
その後ろでは、アフディーが満面の笑顔で、イリオネスの柔らかな髪にゆっくりとブラシを当てています。
イリオネスが、何かを語るように視線だけを背後のアフディーに向けると、アフディーはそれに応える様に顔をのぞかせ「ねーっ!」と、幸せそうな返事をしていました。
それは、どんな魔法でも、どんな血縁でも作り出せない、幸せという名の情景でした。
おしまい。



