「恋乃、好きだよ。」
優しい声でわたしを呼ぶ声が聞こえる。
声のする方へ行きたいのにひどく眠い。そのうちに段々と声が遠くなって行くのを感じる。
「恋乃・・・なって・・・」
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「まって!!」
飛び起き目を覚ますとそこはいつも通りのわたしの部屋だった。
「また夢・・・。」
ここ数日同じ夢を見ている気がする・・・。夢の中でわたしを呼ぶ声の主は大体見当がついている。
「朔がわたしのこと好きなんて言うはずがないのにね・・・」
わたし、宇井原恋乃(ういはら この)と幼なじみの矢沢朔(やざわ さく)は小さい頃から家族絡みで仲が良かった。
でもそれは過去の話で、ある日を境にここ数年間はまともに話もしていない・・・。
(朔・・・)
朔はわたしの初恋の人。幼稚園、小学校、中学校、高校とずっと同じところへ通い、
なんと今年で片思い10年目。
・・・流石に拗らせ過ぎているかもしれない。
「クラス、一緒だったらいいのになあ」
そんな期待を胸に学校へ向かう。
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