母親に念押しされるように帰省した。
彼女のことを話すと連れてこい、の一言。
押し問答した結果、母親の重苦しい鎖に耐えかねて
彼女を紹介した。
「神辺……湊と言います……」
緊張の空間。母親は耐えかねて「どこが好きなの?」と
初っ端から一番手に語りかけた。
「どこ……って雰囲気とかですかね!」
母親はじろじろ身体を見ては品定めするように、質問を投げかける。
「旬より一つ年下らしいじゃない。出会いは?どこで?」
「一応……キャンパス内です……」
尻込みする様子もみせず、発破をかける。
「どこの学部で何を目指してらっしゃるのかしら?サークルには?バイトはどこでーー」
淡々と答えていくと母親の目は漲ったように品位を感じた。
陰で、
「あんた、いいとこに嫁ぐんだから一生あの子のこと、守るのよ!」
と肘をつつかれる。
「ああ。そのつもりだよ。マー……」
ママと言おうとしたがこのご時世、結婚間際に自分の母親のことをこの歳で夏至にママというのも子供染みてるなと思い、
「母さん……。一生あの子のこと、湊のこと守ってみせるから……」
「そうこなくっちゃ!着物は何がいいかしら〜〜!?」
とまだ先の話なのに晴れやかな顔をして、
音符混じりの声に思わず笑った。


