君と終わった街で

午後の会議は、驚くほど頭に入ってこなかった。

モニターに映る資料。

数字。

上司の声。

いつもと同じ光景のはずなのに、意識のどこかがずっと別の場所にある。

ポケットの中のスマホが気になって仕方なかった。

さすがに仕事中に確認するほど子供じゃない。

……と思いたい。

洸太は小さく息を吐いて、パソコンに視線を戻す。

窓の外は曇り空だった。

高層ビルの隙間を、灰色の雲がゆっくり流れている。

東京に来て何年経ったのか、もうちゃんと数えていなかった。

最初は何もかも新鮮だった街も、今ではただ生活する場所になっている。

仕事して、帰って、寝る。

休日は適当に過ごして、また月曜が来る。

それだけだった。

昨日までは。