朝、目が覚めた瞬間。
洸太は数秒だけ、自分がいつもと少し違う気分なことに気づけなかった。
薄いカーテンの隙間から、白い朝の光が差し込んでいる。
遠くで電車の走る音。
枕元のスマホに手を伸ばして、時間を見る。
七時十二分。
いつもと同じ時間だった。
けれど、昨夜のことを思い出した瞬間、胸の奥が少しだけ熱を持つ。
文姫。
その名前が頭に浮かぶだけで、まだ現実感がなかった。
洸太は仰向けのままスマホを開く。
LINE。
一番上にある名前を見る。
『文姫』
短いメッセージ。
『今日はありがとう。なんか、普通に楽しかった』
昨夜、何回読み返したか分からない。
自分でも気持ち悪いなと思う。
十年前なら、もっと酷かっただろうけど。
洸太は小さく息を吐いて、画面を閉じた。
けれど数秒後、また開いてしまう。
……何してるんだ、俺。
思わず苦笑する。
部屋は静かだった。
一人暮らしを始めて何年も経つのに、時々この静けさに疲れる。
必要なものだけ置いた部屋。
無難な家具。
仕事して、帰って、寝るだけの生活。
別に不幸じゃない。
でも、何かを楽しみに朝を迎えることなんて、ずっとなかった気がする。
洸太は数秒だけ、自分がいつもと少し違う気分なことに気づけなかった。
薄いカーテンの隙間から、白い朝の光が差し込んでいる。
遠くで電車の走る音。
枕元のスマホに手を伸ばして、時間を見る。
七時十二分。
いつもと同じ時間だった。
けれど、昨夜のことを思い出した瞬間、胸の奥が少しだけ熱を持つ。
文姫。
その名前が頭に浮かぶだけで、まだ現実感がなかった。
洸太は仰向けのままスマホを開く。
LINE。
一番上にある名前を見る。
『文姫』
短いメッセージ。
『今日はありがとう。なんか、普通に楽しかった』
昨夜、何回読み返したか分からない。
自分でも気持ち悪いなと思う。
十年前なら、もっと酷かっただろうけど。
洸太は小さく息を吐いて、画面を閉じた。
けれど数秒後、また開いてしまう。
……何してるんだ、俺。
思わず苦笑する。
部屋は静かだった。
一人暮らしを始めて何年も経つのに、時々この静けさに疲れる。
必要なものだけ置いた部屋。
無難な家具。
仕事して、帰って、寝るだけの生活。
別に不幸じゃない。
でも、何かを楽しみに朝を迎えることなんて、ずっとなかった気がする。
