Dying music 〜音楽を染め上げろ 高2編~






週明け。






今日は高校生バンドフェスに向けた練習日。今日の目標は、まずはワンフレーズを形にすること。 2年生が1年生にマンツーマンでつき、基礎から丁寧に指導する。


「あっ、間違えちゃった…」

ゆずなが鍵盤から指を離す。

「もう一回最初からやろう。指の使い方は合ってるから、焦んないで大丈夫。」


僕はゆっくりと指の位置を示しながら声をかける。キーボードは見た目以上に難しい。 楽譜を追いながら両手を別々に動かす。それだけで頭が混乱する。 僕自身キーボードは専門外だから、スマホで動画を確認しつつ、何度も説明を繰り返す。


「えーっとな、ここがこうで…」

「???えぇっと…」


隣を見ると、恭也と真宙がそろって頭の上に「?」を浮かべている。

真宙は楽器知識ゼロからのスタート。ギターのパーツ名、片付け方、メジャーコード、マイナーコード、パワーコード。覚えることは山ほどある。 それでも持ち前の吸収力で着実に前へ進んでいるが、やはり躓く箇所は多い。


「颯太、裏拍のリズムキープ、音しっかり聞いて。」

「はい。」


颯太たちはリズム練習の真っ最中。 基礎はしっかりしているが、テンポが上がると途端にリズムが前のめりになる。 手首の使い方、音の取り方。何度も修正を重ねて安定させていく。

結局、前回までにやったフレーズは全員クリアしたものの、今日の目標には届かなかった。 遅れた部分はまた次回取り戻そう。




「2年生はフェスの申請準備あるから、1年生は先に帰ってていいよ!お疲れ様!」

「お疲れ様でした!」