あれから時間が経ち、散歩していた頃だった。 丸い日傘を差し 陽が沈む方向を指差すーー 「あれが夕暮れ時っていうものよ」 「へえ、そうなんですね」返ししか出来ない僕を叱咤してくださるお嬢様ーー。 「いつか書斎部屋じゃなく高級な部屋を買ってあげるわ」 スケールがでかい。ともすればお嬢様の顔に落ち影が差す。 「早めに帰りましょうか」 「えぇ」 何気ない会話だった。平然といられる僕のメンタルを誰か褒めて欲しい。身寄りがいないからお嬢様しかいないからなんともいえないけど。