婚約者は妹のような幼馴染みを何より大切にしているので、お飾り妻予定な令嬢は幸せになることを諦めた……はずでした。

 私は可哀想? ええ。可哀想。だって、婚約者には妹のような幼馴染が居て、彼女の方を全てにおいて優先してしている。

 私は誰かに可哀想だと、思われたくない。

 ……出来れば、お互いに合う結婚相手を探すべきだと思う。

 私は少なくとも、そうしたい。セシルは次期公爵なのだから、デイジー付きでも結婚したいという人だっているはずだ。

 けれど、セシルとの婚約解消を家族は認めない。彼はデイジーのことを大事にして、婚約者の私を大事にしない。政略結婚には、恋愛感情は要らない。

 出口が見えない。私はこの先、延々苦しみ続けるしかないの?

 貴族としてもし愛人をつくるとしても直系の子どもが出来てからにして欲しいと思う私は、ただ甘えているだけなのかもしれない。

 それでも……嫌なものは嫌なのだ。自分よりも愛らしいデイジーにうつつを抜かす婚約者なんて、絶対に嫌。

 セシルと結婚したくない。傷つき続ける人生が、容易に想像がつくというのに。

「はああ……なんだか、私一人で悩んでいて……馬鹿みたいだわ」

 大きくため息をついた。