3月1日
私は満開じゃない桜の木の下で
あの日の事を思い出す。
「私たち、どこかで会った事ありませんか....?」
彼は眉をひそめて背を向ける。
「しらねぇよ」
私は彼の後ろ姿をみつめたまま、また遠くに行ってしまう。
私の心の中で誰かが叫んでいるようだった。
私の将来の夢は決まっている。
でも誰にも言わない。
絶対に笑われるから。
将来に希望も光も求めてない。
ただ、
誰にも届かなかった声を残したい。
これは、
私が高校三年間で体験した
恋と不思議な物語。
ーーーーーー
高校2年生
私には帰る場所がなくなった。
私が最後に選んだ居場所は
人気がない山奥だった。
誰も来ない場所にテントを張って生活している。
大雨の日は最高に気分が良い。
テントの裏に隠れて泡を全身に広げ、雨で流す。大雨は私の味方だ。
絶対誰もがしない事。私はそれが幸せだ。
雨が降らない日は誰も校舎に居なくなった後、
私はカバンに隠していたタオルを洗面台で濡らしてテントの中で体を拭く。
最初は自分が惨めだと思って仕方なかった。
1年前まで私の父は大企業の社長だった。
母は有名な高級レストラン経営者。
欲しい物があれば、なんでも買ってもらえた。
毎週のように届くブランド物の服、アクセサリー、我慢する事なんて人生で一度もなかった。
私は周りから見ると何不自由なく暮らす''令嬢''だったと思う。
お父さんの会社が倒産してから、学校から帰ると怒鳴り声、ガラスの割れる音それが、毎日で、玄関に入る前はいつも深呼吸をした。
家に帰るのが嫌でしかたなかった。
その後、お父さんは借金だけ残して家を出ていってそれから帰ってこない。
その半年後、お母さんは余命宣告を受けて1ヶ月前に亡くなって。
お母さんが私の為に貯金してたお金はお父さんの借金でなくなった。
だから今の私は、令嬢なんかじゃない。
そもそも、家があれば贅沢だ....
絶対にこの事をここでは知られてはいけない。
この学校は日本でも有名な学園だから。
ーーーー
いつも毎朝廊下ですれ違うのは
後ろ姿だけでもわかる、学校1のイケメン。
いつも少しタバコの匂いがしてほぼ毎日顔に新しい傷を作って登校する。
簡単に言えば''金持ちのヤンキー''
傷があっても、周りのお嬢様たちが一瞬で虜になる顔立ち、そして高身長
いずれはこの学園を継ぐ次期理事長だそうだ。
1年前の私なら多分周りの令嬢たちと同じように騒いでいたと思う。
でも今は住む世界が全く真逆。
「ねぇ世菜、来週私の誕生日パーティーがあるから参加しない?」
嬉しそうに言うこの子は私の親友
''明里''お母さんが有名な化粧品会社の社長でお父さんは医者。
「なんてったって、この学園の理事長とその息子の前斗くんも来るんだからぁ!」
1年前の私ならパーティーなんて毎週のように参加してた
「ごめん!その日はおばあちゃんの誕生日パーティーなの!久しぶり会うから行けなくて」
嘘をついた。最初は親友に嘘をつくなんて心が痛かった。
でも今は、当たり前のようになっている。
罪悪感も何もない、自分を守るため。いつも言い聞かせる。
だってこの子も私の秘密を知らない
誰にも言ってはいけないから。
放課後、みんなは運転手付きの車で帰って行った後、私はいつも適当な理由をつけて最後まで校舎に残った。
暗くなってからテントに帰る。それが日課だった。
でも今日は違った。
私が机に伏せていると
「なにしてんの?帰れよ、邪魔だから」
聞き覚えのある声で、冷たく言われた。
私はびっくりして顔を上げると
学校1のヤンキー前斗くんが立っていた。
私はすぐにカバンを手に取り彼の横を通り過ぎた。
「歩いてかえんの?つーかお前顔色わるくね?飯くってんの?」
見下しているような、優しいようなそんな雰囲気だった。
「ダイエットしてるので、走って帰るんです!」
私はまた嘘をつく。
「あっそ、それなら早く行けよ。」
返事をする余裕もなく、私は校門へ走った。
もう私は嘘の達人だ。頭にすぐ浮かぶ。
もう慣れたから。
私は人気ない裏道を通りながら誰にも見つからないように隠れながら山奥の中に入って行った
今日の夜ご飯は先週の激安タイムセールで買った30円のパン半分で、いつも食べてたステーキを思い出しながら少しずつ口に入れる
空から雷の音が鳴り響くと同時に大粒の大雨が降り始めて、私は急いでボディーソープを持ってテントの後ろに隠れながら全身に泡を広げた。
久しぶりの雨だった。
私は薄い布団を1枚掛けてそのまま眠りについた。
朝、カラスの鳴き声で目が覚めた。
湿った床と、冷たい空気。
....1945年の夢だった。
戦争なんて興味がない、1年前までは甘やかされて育ってきた、誰かの苦労なんかしらなかったから。
今日の夢は、今までと違う...
夢の中では私は誰かを必死に呼んでいた。
顔は覚えていない。
でも絶対に知っている。そんな気がした。
そう思いながら、私は急いで学校へ行く支度をする。
バレないように身なりだけは綺麗にした。
いつもの裏道を通って登校する。
この瞬間いつも緊張する....山奥から歩いてるところなんて見られたら....思うだけで身体が震える。
学校へ着くと壁にもたれながら相変わらず不機嫌そうに前斗くんが立っている。
周りのお嬢様たちは目を輝かせていた。
一部の生徒たちは遠巻きに彼をみている
彼と目が合い、私はすぐに目線を逸らした。
ーーーおい。
最初は誰に言ってるかわからなかった。彼の横を通り過ぎようとした時手首を掴まれた。
「おい、今日も飯抜いてきたのか?」
「え?」
「そんな顔で登校してきたら学園のイメージが下がるだろうが」
ーーその瞬間
目の前の視界が急に揺れて足に力がはいらなくなった。
倒れそうになった時
彼が舌打ちをして身体を支えた。
「お前まじでなにしてんだよ」
私は慌てて彼の手を振り解いた。
「ご、ごめんなさい、保健室行ってきます」
でも、足に力が入らなくてそのまま座り込んだ
「歩けてねぇじゃん」
そう言うと私のカバンをひったくるように手に取った
「保健室行くぞ」
「だ、大丈夫です!」
「だからそんな顔で居られたら学園のイメージ下がんだよ」
周りのお嬢様たちが視線を私に向けて
ヒソヒソと悪口を言っているのがわかる
視線から逃げるように俯いた
でも、久しぶりに人の手の温もりを感じた。
「あ、ありがとうございます」
保健室に着いて、ベッドに横になった瞬間
肩の力が一気に抜けた
彼はだるそうにベッドの縁に座った
「寝てろ」
安心する。なんでだろう。男性と2人になるのは緊張するはずなのに....
私はよこになったまま彼に話しかける。
「私たち、学園以外のどこかであったことありませんか...?」
彼は眉をひそめた。
「ねぇよ」
「そうですか....」
私はそのまま目を閉じた。
数秒して学校にチャイムが鳴ったと同時に飛行機の低いエンジンの音が耳を裂いた。
すぐ近くを飛んでるような爆音だった。
身体が浮いてどこかに引きずりこまれるような感覚だった。
目を開けようとしても開かない、身体も全身動かない、まるで金縛りのようだった。
瞼の外に眩しい光が差し込む。
身体も動く、次に目を開けた時そこは学校じゃなかった。
前斗くんがいない、さっきまで隣にいたはずだった。布団は?学校は?頭が混乱した。
私は身体が軽く感じて、視線を下におろした。
その光景を見て一瞬固まった
.....え?もんぺ.....?
私は満開じゃない桜の木の下で
あの日の事を思い出す。
「私たち、どこかで会った事ありませんか....?」
彼は眉をひそめて背を向ける。
「しらねぇよ」
私は彼の後ろ姿をみつめたまま、また遠くに行ってしまう。
私の心の中で誰かが叫んでいるようだった。
私の将来の夢は決まっている。
でも誰にも言わない。
絶対に笑われるから。
将来に希望も光も求めてない。
ただ、
誰にも届かなかった声を残したい。
これは、
私が高校三年間で体験した
恋と不思議な物語。
ーーーーーー
高校2年生
私には帰る場所がなくなった。
私が最後に選んだ居場所は
人気がない山奥だった。
誰も来ない場所にテントを張って生活している。
大雨の日は最高に気分が良い。
テントの裏に隠れて泡を全身に広げ、雨で流す。大雨は私の味方だ。
絶対誰もがしない事。私はそれが幸せだ。
雨が降らない日は誰も校舎に居なくなった後、
私はカバンに隠していたタオルを洗面台で濡らしてテントの中で体を拭く。
最初は自分が惨めだと思って仕方なかった。
1年前まで私の父は大企業の社長だった。
母は有名な高級レストラン経営者。
欲しい物があれば、なんでも買ってもらえた。
毎週のように届くブランド物の服、アクセサリー、我慢する事なんて人生で一度もなかった。
私は周りから見ると何不自由なく暮らす''令嬢''だったと思う。
お父さんの会社が倒産してから、学校から帰ると怒鳴り声、ガラスの割れる音それが、毎日で、玄関に入る前はいつも深呼吸をした。
家に帰るのが嫌でしかたなかった。
その後、お父さんは借金だけ残して家を出ていってそれから帰ってこない。
その半年後、お母さんは余命宣告を受けて1ヶ月前に亡くなって。
お母さんが私の為に貯金してたお金はお父さんの借金でなくなった。
だから今の私は、令嬢なんかじゃない。
そもそも、家があれば贅沢だ....
絶対にこの事をここでは知られてはいけない。
この学校は日本でも有名な学園だから。
ーーーー
いつも毎朝廊下ですれ違うのは
後ろ姿だけでもわかる、学校1のイケメン。
いつも少しタバコの匂いがしてほぼ毎日顔に新しい傷を作って登校する。
簡単に言えば''金持ちのヤンキー''
傷があっても、周りのお嬢様たちが一瞬で虜になる顔立ち、そして高身長
いずれはこの学園を継ぐ次期理事長だそうだ。
1年前の私なら多分周りの令嬢たちと同じように騒いでいたと思う。
でも今は住む世界が全く真逆。
「ねぇ世菜、来週私の誕生日パーティーがあるから参加しない?」
嬉しそうに言うこの子は私の親友
''明里''お母さんが有名な化粧品会社の社長でお父さんは医者。
「なんてったって、この学園の理事長とその息子の前斗くんも来るんだからぁ!」
1年前の私ならパーティーなんて毎週のように参加してた
「ごめん!その日はおばあちゃんの誕生日パーティーなの!久しぶり会うから行けなくて」
嘘をついた。最初は親友に嘘をつくなんて心が痛かった。
でも今は、当たり前のようになっている。
罪悪感も何もない、自分を守るため。いつも言い聞かせる。
だってこの子も私の秘密を知らない
誰にも言ってはいけないから。
放課後、みんなは運転手付きの車で帰って行った後、私はいつも適当な理由をつけて最後まで校舎に残った。
暗くなってからテントに帰る。それが日課だった。
でも今日は違った。
私が机に伏せていると
「なにしてんの?帰れよ、邪魔だから」
聞き覚えのある声で、冷たく言われた。
私はびっくりして顔を上げると
学校1のヤンキー前斗くんが立っていた。
私はすぐにカバンを手に取り彼の横を通り過ぎた。
「歩いてかえんの?つーかお前顔色わるくね?飯くってんの?」
見下しているような、優しいようなそんな雰囲気だった。
「ダイエットしてるので、走って帰るんです!」
私はまた嘘をつく。
「あっそ、それなら早く行けよ。」
返事をする余裕もなく、私は校門へ走った。
もう私は嘘の達人だ。頭にすぐ浮かぶ。
もう慣れたから。
私は人気ない裏道を通りながら誰にも見つからないように隠れながら山奥の中に入って行った
今日の夜ご飯は先週の激安タイムセールで買った30円のパン半分で、いつも食べてたステーキを思い出しながら少しずつ口に入れる
空から雷の音が鳴り響くと同時に大粒の大雨が降り始めて、私は急いでボディーソープを持ってテントの後ろに隠れながら全身に泡を広げた。
久しぶりの雨だった。
私は薄い布団を1枚掛けてそのまま眠りについた。
朝、カラスの鳴き声で目が覚めた。
湿った床と、冷たい空気。
....1945年の夢だった。
戦争なんて興味がない、1年前までは甘やかされて育ってきた、誰かの苦労なんかしらなかったから。
今日の夢は、今までと違う...
夢の中では私は誰かを必死に呼んでいた。
顔は覚えていない。
でも絶対に知っている。そんな気がした。
そう思いながら、私は急いで学校へ行く支度をする。
バレないように身なりだけは綺麗にした。
いつもの裏道を通って登校する。
この瞬間いつも緊張する....山奥から歩いてるところなんて見られたら....思うだけで身体が震える。
学校へ着くと壁にもたれながら相変わらず不機嫌そうに前斗くんが立っている。
周りのお嬢様たちは目を輝かせていた。
一部の生徒たちは遠巻きに彼をみている
彼と目が合い、私はすぐに目線を逸らした。
ーーーおい。
最初は誰に言ってるかわからなかった。彼の横を通り過ぎようとした時手首を掴まれた。
「おい、今日も飯抜いてきたのか?」
「え?」
「そんな顔で登校してきたら学園のイメージが下がるだろうが」
ーーその瞬間
目の前の視界が急に揺れて足に力がはいらなくなった。
倒れそうになった時
彼が舌打ちをして身体を支えた。
「お前まじでなにしてんだよ」
私は慌てて彼の手を振り解いた。
「ご、ごめんなさい、保健室行ってきます」
でも、足に力が入らなくてそのまま座り込んだ
「歩けてねぇじゃん」
そう言うと私のカバンをひったくるように手に取った
「保健室行くぞ」
「だ、大丈夫です!」
「だからそんな顔で居られたら学園のイメージ下がんだよ」
周りのお嬢様たちが視線を私に向けて
ヒソヒソと悪口を言っているのがわかる
視線から逃げるように俯いた
でも、久しぶりに人の手の温もりを感じた。
「あ、ありがとうございます」
保健室に着いて、ベッドに横になった瞬間
肩の力が一気に抜けた
彼はだるそうにベッドの縁に座った
「寝てろ」
安心する。なんでだろう。男性と2人になるのは緊張するはずなのに....
私はよこになったまま彼に話しかける。
「私たち、学園以外のどこかであったことありませんか...?」
彼は眉をひそめた。
「ねぇよ」
「そうですか....」
私はそのまま目を閉じた。
数秒して学校にチャイムが鳴ったと同時に飛行機の低いエンジンの音が耳を裂いた。
すぐ近くを飛んでるような爆音だった。
身体が浮いてどこかに引きずりこまれるような感覚だった。
目を開けようとしても開かない、身体も全身動かない、まるで金縛りのようだった。
瞼の外に眩しい光が差し込む。
身体も動く、次に目を開けた時そこは学校じゃなかった。
前斗くんがいない、さっきまで隣にいたはずだった。布団は?学校は?頭が混乱した。
私は身体が軽く感じて、視線を下におろした。
その光景を見て一瞬固まった
.....え?もんぺ.....?

