その男、ダンディーにつき



 その日の帰り道、咲は駅のホームで一人立ち尽くしていた。

電車が来ても動けない。

胸が痛い。

応援するなんて綺麗事。

本当は嫌だ。

誰にも渡したくない。

その感情を認めた瞬間、涙が滲む。

「婚活なんてしないでよ、先生」

 後悔が押し寄せてくる。

なりふり構わず引き止めればよかった。

 咲は最悪の気分で土日を過ごした。